シクロデキストリン(CyD)
シクロデキストリン(サイクロデキストリン・環状オリゴ糖)は、トウモロコシデンプンに酵素を作用させて作られるグルコースが環状に連結した化合物です。
内部に空孔を有し、空孔内部は油となじみやすく、空孔外部は水となじみやすい性質を有している。そのため、有機化合物を空孔内部に取り込みやすい性質があります。
1980年前半から工業・食品・医薬品などの分野で広く利用されています。
特に、食品分野では食品添加物として認可されていることから、チューブ型練りわさびの辛味成分保持や、苦み成分のマスキング(低減)などの目的で様々な食品に使用されています。

CyD の特性による問題点
シクロデキストリンはグルコースが環状につながっていて、底の抜けたバケツのような形をしています。分子の中心に空洞があるため、穴の大きさにあった有機化合物などが物理的な引力で穴の中に入って包接錯体が作られます。
壁と空洞の中の有機化合物との間に働く引力が強いので、底のないバケツでも空洞に入った化合物が外へこぼれることはありません。しかもこの包接錯体は化学結合によってできたものではないので、穴の中の物質はまた簡単に取り出すことができます。
物質がシクロデキストリンの空洞の中に入ると物質の化学的、物理的性質が変化します。食品分野や医薬品分野でシクロデキストリンが使われるのはこの特徴を利用しているためです。しかし、シクロデキストリンは水に溶けやすいため、水溶解性のために利用できない分野がありました。